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鹿児島県女性ワーキンググループ 令和2年度

令和2年11月11日開催

鹿児島県女性ワーキンググループ 令和2年度

令和2年度第1回の女性ワーキンググループは,オフィスピュア 代表 たもつゆかり設など男性が少ない職場では、男性のジェンダーさんによる「職場におけるジェンダー平等について」の講話の後,ファシリテーターに髙﨑恵さんによる「職場のジェンダーギャップについて語り合おう」というワークショップを行いました。

ワークショップにおける要旨

【テーマ】「職場のジェンダーギャップについて語り合おう」

【要旨】

  • 女性活躍推進法の目的は、男性中心型の雇用慣行を見直していくことを通して、男女がともに働きやすい職場づくりを叶えていくこと。
  • SDGsの目標は、強くてしなやかな社会「レジリエントシティ」の形成。その社会は、強くてしなやかな個人一人ひとりによって形成される。
  • 職場では、同調圧力を互いに掛け合って、率直に気持ちを言いづらいということがあるが、これからの企業経営には、一人ひとりの社員に違う意見、経験、やり方があるということが重要で、「オピニオンダイバーシティ(意見の多様性をどう力に変えられるか)」が求められている。
  • ワーク・ライフ・バランスを、ワークとライフを天秤にかけると捉えている人が多いがそうではなくて、ライフが土台としてあって、その上にワークがある。生活の質の向上が仕事の質の向上につながっていく。会社の社員に対する働くことへの支援が、社員の会社への貢献に繋がる。(支援と貢献の循環)
  • 女性の処遇について、女性自身がしっかりと考えていくことが大事であるともに、トップの高いコミットメントが必要。トップが変わらなければ、会社は変わらない。
  • 組織の改革のための、制度の整備と、意識改革を両輪で進めていくことが必要。

事例1 職場で電話に出るのは女性の仕事だと思われていたが、男性に「電話を取ってください」と伝えることにより、改善されつつある。

職場内に電話に出るのは女性の仕事という固定的性別役割分担があって、男性がなかなか出てないことがある。電話に出ることを含め、仕事に性別は関わらないと伝えることが大事。

事例2 農業従事者として増加している外国人の女性が多くなってきており、これまで男性の仕事だと思い込んでいたことに意欲を示したり、実際やってみることで、周りに「女性もやっていい」「女性もやれる」という気づきが生まれている。

アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)は本当に深く、気づくことが難しい。
気づく場面を設けたり、違う環境にいる他者からの視点で見たりすることによって、新たな気づきに繋がる。

事例3 子どもがいる女性は、最初から組織のリーダーとは考えられていない。しかし女性が意思を示すことによって、リーダーが生まれたということもあった。

「出張はしなくていいよ」「これは無理だよね」「早く帰らなくていいの」などの配慮により、昇進や昇給などの機会を得られなくなることを「マミートラック」という。 配慮自体は重要であるが、マネジメントの視点として、仕事量についての「ケア」と、役職を決める上での「フェア」な評価、配慮はするが遠慮はしない「シビア」が必要である。

事例4 病院では、車椅子の修理や整備は男性の仕事だったり、入浴介助は男性には一人で任せたりと、男性に力仕事が偏る傾向がある。

病院や介護施設など男性が少ない職場では、男性のジェンダーに関するつぶやきがとても深くて重い。
男性の過重労働が、離職率の高さにも繋がっている。
北欧などの福祉先進国では、重い物はリフトを使うなど機械化進んでいるが、日本では、力仕事は男性の役割という意識がある中、機械化・省力化が、あまり進んでいない。

事例5 社内のルールが、女性社員の退職に繋がっている可能性がある。(例えば、総合職で営業職の社員は、必ず支店の近くに住むというルール)

男女別の採用は男女雇用機会均等法で禁止されているが、一般職と総合職というコース別人事では、総合職の女性は少ない。 
ジェンダー格差の1つである賃金格差が、生涯賃金の格差に繋がっている。
ともに働いている両性が、その人権を大切にされて、働いてよかったと思える会社でなければ、次の働き手はその会社にやってこない。